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ARTRAY

アート鑑賞ナビゲーター藤田令伊のブログ形式のメディアです。
展覧会レビュー、アート鑑賞のヒント、アートニュースなどアートに関する
effectiveな情報を発信しています。アート以外についてもときどき書きます。
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「今年の展覧会」 2014
私的展覧会レビュー
気がついたら師走も半ばとなり、今年も残すところあと半月となりました。新聞や雑誌ではポツポツと今年1年の展覧会を振り返る記事が出始めていますね。私もよかったと思う今年の展覧会TOP10を顕彰しておきたいと思います。

もったいぶらずにさっそく私的TOP10展覧会をチョイスすれば、こういうラインナップになりました。もちろん、独断と偏見の結果です。


1 日本美術院再興100年 特別展 世紀の日本画(後期):東京都美術館

2 アンドレアス・グルスキー展:国立国際美術館

3 日本国宝展:東京国立博物館

4 MAMプロジェクト020 ガブリエル・アセベド・ベラルデ:森美術館

5 現代アートのハードコアはじつは世界の宝である:東京国立近代美術館

6 アンディ・ウォーホル展 永遠の15分:森美術館

7 さわひらき UNDER THE BOX, BEYOND THE BOUNDS:東京オペラシティアートギャラリー

8 菱田春草展:東京国立近代美術館

9 台北 國立故宮博物院 神品至宝:東京国立博物館

10 織田一麿の版画:町田国際版画美術館


いかがでしょう、みなさんのご意見と共通するものがあったでしょうか? 


東京都美術館で開かれた「日本芸術院再興100年 特別展 世紀の日本画」のとくに後期展は圧巻でした。大観の《屈原》や《無我》、春草の《四季山水》、岩橋英遠の《道産子追憶之巻》など、しびれるような作品がまさに綺羅星の如くといったありさまで、私的にはこの展覧会がちょっと抜けている感がありました。文句なしの1位です。なかでも前田青邨の《知盛幻生》は衝撃的で、久々に絵画作品でガツンとやられた感が。あの1点だけでも見に行った値打ちのある展覧会だったと思います。


2位の「アンドレアス・グルスキー展」は、私は大阪で見たので今年の企画として扱いましたが、昨年、国立新美術館でも開催されました。写真作品でしたが、ただ単にビジュアルに訴えるものがあるだけではなく、現代文明が直面しているさまざまなことを考えさせる力も秘めていました。グルスキーはドイツの人で、伝統的にドイツのアーティストはコンセプチュアルな要素を含んだ作品を私たちに問いかけてきます。私はそういう作品のほうが、見た目だけの作品より好きなので、グルスキーにもやはり高い評価を与えることになりました。私は自分の見た展覧会を0.5点刻みの5点満点で評価していますが、1位と2位が満点でした。


3位は「日本国宝展」です。展示品のほとんどが国宝というのはさすがにゴージャスでしたね。国宝はやはり国宝とされるだけのものがあり、ギャラリーをめぐるうちに「眼福」という言葉が思い浮かびました。4位のガブリエル・アセベド・ベラルデ展は6位のアンディ・ウォーホル展と同時開催で、ウォーホル展のほうがメインイベントでしたが、いま振り返ってベラルデ展のほうが強く印象に残っていたので主客転倒の感はあるものの、このような序列になりました。


5位はヤゲオ財団というプライベートコレクションによる企画でしたが、生半可な美術館のコレクションより充実しており、大きな見応えが感じられました。“見る眼”がモノをいうのだなと改めて認識させられました。7位のさわひらき展は年明け早々の企画だったためか、他のメディアではこの時期あまりピックアップされていませんが、私はとてもよかったと思います。1年近く前ということで忘れられているだけじゃないか?という気がします。


8位の「菱田春草展」は、バタバタしていて結局レビューを書きそびれてしまいましたが、内容はやはりとてもレベルの高いものがあったと思います。春草の優しさの魅力が存分に堪能できました。故宮博物院展を9位にしたのはちょっと問題かもしれませんね。あれほど贅沢な展覧会ですから。ただ、目玉格の《翠玉白菜》などの展示期間が短く、さらに巡回展の九州では展示されなかったため随分不評が出たようで、そのあたりも若干考慮して渋めの評価にしました。


9位まではわりとあっさり決められたのですが、10位はかなり迷いました。クリーブランド美術館展やバルテュス展、横浜トリエンナーレ、チューリッヒ美術館展など候補がいくつもあったからです。しかし、それらを退けて「織田一麿の版画」にしたのは、ひとつにはビッグミュージアムならぬところでも頑張っているのを応援したい気持ちが働いてのことです。が、もちろん、それだけではなく、展覧会および作品自体もよかったと感じたからであるのはいうまでもありません。


企画主体という観点では、東京国立博物館、東京国立近代美術館、森美術館の展覧会が二つずつ入りました。とくに東京国立近代美術館はここ何年も複数の展覧会がTOP10入りを果たしています。私的な評価にすぎませんが、率直に讃えたいと思います。素晴らしい展覧会をありがとうございました。来年もよろしくお願いします。


以上が私にとっての今年の展覧会振り返りです。厳密には今年はまだ少し残っているので逆転ランクインするものがないとはいい切れませんが大勢は変わらないでしょう。また、私は東京在住なのでどうしても首都圏の企画に偏っています。もちろん、ほかの地域でも素晴らしい展覧会が数多く開かれたことでしょう。あなたにとっては、どの展覧会が印象深かったでしょうか? 一度ご自分なりに今年ご覧になった展覧会を振り返ってみられてはいかがでしょうか? そうすること自体が鑑賞体験をより意味深くするようにも思います。